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当社では洪水対策製品である止水板「みずからまもる君」を取り扱っています。
洪水やゲリラ豪雨による浸水被害では、水位の上昇をいち早く把握できるかどうかが重要です。
そこで今回は、ESP32マイコンとLINE Messaging APIを活用し、水位上昇を検知するとLINEへ通知を行う「Wi-Fi浸水検知器」を試作しました。
本記事では、装置の概要や動作仕様、製作のポイントについて紹介します。

Wi-Fi浸水検知器は、フロートセンサーによって水位上昇を検知し、Wi-Fi経由でLINEへ通知を送る装置です。
浸水の発生をリアルタイムで把握できるため、洪水や冠水時の初動対応を支援します。
さらにデバッグや設置環境の確認を行うため、Wi-Fi受信強度(RSSI)などの情報をLCDモジュールへ表示できる機能も搭載しています。
| 項目 | 内容 |
| マイコン | ESP32-WROOM-32E(16MB) |
| 電源 | 単三乾電池3本 |
| 通信方式 | Wi-Fi |
| 通知方式 | LINE Messaging API |
| センサー | フロートスイッチ |
| 表示 | I2C接続LCDモジュール |
ESP32の最低動作電圧は2.3Vですが、Wi-Fi通信時には比較的大きな電流を消費します。
そのため本装置では電池電圧を常時監視し、電圧低下時にはLINEへ警告メッセージを送信します。
さらに電圧が限界値に近づいた場合は、シャットダウン予告通知、安全停止を実施します。
省電力化のためライトスリープモードを採用しています。
ESP32にはディープスリープモードもありますが、復帰時に初期化処理が必要となるため、前回の状態を維持できるライトスリープモードを選択しました。
本装置ではESP32とは別に補助マイコンを配置しています。
補助マイコンは以下の役割を担当します。
低電圧状態でESP32を起動させないよう対策しています。
電源投入後、DIPスイッチの状態を確認し、
の切り替えを行います。
平常時はライトスリープモードで待機します。
定期的に復帰し、
を実行します。
電圧低下を検知した場合はWi-Fiへ接続し、LINE通知を送信します。
フロートセンサーが動作すると、ESP32は即座にスリープ状態から復帰します。
実際の水面は波によって変動するため、「3秒間連続して同一状態が継続した場合」に状態を確定します。
状態確定後、
の通知をLINEへ送信します。
テストモードではWi-Fiへ常時接続し、LCDに各種情報を表示します。
主な表示内容は以下の通りです。
設置場所で通信品質を確認する際に活用できます。
本装置ではLINE Messaging APIを利用しています。
LINE Messaging APIは、外部システムからLINEへメッセージを送信できるサービスです。
利用にあたっては、
という流れになります。
無料プランでは月間200通までの送信制限があります。
また送信先の友だち数によって消費メッセージ数が増加します。
ただし、今回の用途は異常発生時のみ通知するため、無料枠内で十分運用可能と判断しています。

試作機はユニバーサル基板を使用して製作しました。
プリント基板化も可能ですが、試作段階では回路修正が容易なユニバーサル基板が有効です。
ケースにはタカチ電機工業製の防水ケースを採用しました。
LEDやスイッチ類の配置はCADで設計し、ボール盤を用いて加工しています。
背面には専用の取付金具を装着しています。
「みずからまもる君」やその他の設置場所に簡単に取り付けられるよう設計しました。
金具の設計は社内で実施し、加工は協力会社へ依頼しています。
2000年9月の東海豪雨当時、筆者は名古屋市西区上小田井付近のアパート1階に住んでいました。
豪雨により周辺道路は冠水し、水位が徐々に上昇していく様子を目の当たりにしました。
家財を少しでも守るため、
を高い場所へ移動しながら状況を見守っていました。
幸い床上浸水は免れましたが、お風呂場への浸水や車両の冠水被害を経験しました。
結果として、
お風呂場には浸水しましたが、残りわずか数センチという所で、床上浸水は免れました。
近くの駐車場に止めてあった車は見事に水に浸かりましたが、後日の確認でなんとかエンジンは無事。
車内に侵入した泥水の清掃(シートやら内装を外して分解清掃)に追われた思い出があります。
現在は防災情報も充実していますが、最後は自分自身で現場の状況を把握することも重要だと感じています。
今回製作したWi-Fi浸水検知器は、洪水や冠水の危険がある際に事前設置し、水位変化をLINEで通知する装置として開発しました。
IoT技術を活用することで、遠隔地からでも状況を把握できる仕組みを比較的低コストで構築できます。
また、当社には基板製作、マイコンプログラム、CAD設計、ケース加工、板金設計などを行える環境があり、アイデアを実際の形にできることも大きな強みです。
今回の試作も、そのような環境を活用して実現した取り組みの一例となります。
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