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人類は再び月へ──NASA「アルテミス計画」と、宇宙で“音がしない”理由

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人類は再び月へ──NASA「アルテミス計画」と、宇宙で“音がしない”理由

 

今回のブログでは時事ニュースに絡めてお話しようと思います。

 

2026年4月、NASAは有人月探査ミッション「アルテミスII」を成功させました。

これは1972年のアポロ計画以来、半世紀ぶりに人類が月の近くまで到達した歴史的な出来事です。

さて、皆さんに一つ質問です。

 

「宇宙ではロケットの音や爆発音は聞こえるのでしょうか?」

 

宇宙空間を舞台にしたSF映画や

アニメ作品の中ではおなじみの宇宙の効果音。

 

しかし、現実の宇宙は私たちの想像とは少し違います。

NASA「アルテミス計画」とは何か?

アルテミス計画は、NASAが主導する次世代の有人月探査プロジェクトです。

今回成功した「アルテミスII」は、その第2段階にあたります。

 

宇宙船「オリオン」に4人の宇宙飛行士が搭乗

月面着陸は行わず、月を周回して地球へ帰還

約50年以上失われていた「深宇宙を人が往復する技術」を実証

 

このミッションは、2028年以降に予定される有人月面着陸や、将来の火星探査への重要なステップとされています。

物語の中で夢見た地球ではない星への人類の進出、ロマンがありますね。

 

宇宙空間は「静寂の世界」

ロケット打ち上げの映像では、地上では大きな轟音が鳴り響きます。

しかし、ロケットが大気圏を離れ、宇宙空間へ出た瞬間 ──

音は完全に消えます。

理由はとてもシンプルです。

 

なぜ真空では音が伝わらないのか?

音の正体は「空気などの物質が振動して伝わる波(音波)」です。

水面の波紋が広がっていくイメージで空気が振動し音が伝わります。

 

地球上と宇宙空間での音の伝わり方
地球 空気がある → 振動が伝わる → 音が聞こえる
宇宙 ほぼ真空 → 振動を運ぶものがない → 音が伝わらない

 

宇宙空間には、1立方センチメートルあたり数個程度の粒子しか存在せず、

地球の大気と比べるとほぼ「空っぽ」の状態です。振動するものがほぼありません。

そのため、爆発が起きても、ロケットエンジンが噴射しても、外では音は一切聞こえません。

 

 

宇宙飛行士はどうやって会話している?

「音がしないなら、宇宙飛行士はどうやって話すの?」

答えは 無線通信 です。

 

宇宙服の中には空気がある → 自分の声は聞こえる

相手には 電波(無線) を使って声を届ける

 

ここで重要なのが、音と電波はまったく別物だという点です。

 

種類 伝わり方 真空で伝わるか
空気などの振動
電波・光 電磁波

 

NASAの探査機や宇宙船は、この性質を利用して、地球と何十万kmも離れた場所で通信を行っています。

 

「宇宙の音」が公開される理由

近年、NASAが「ブラックホールの音」などを公開し話題になることがあります。

⇒ YouTube「Quick Look: Black Hole Sonification Remix」

これは実際に宇宙で音が鳴っているわけではありません。

 

観測データ(X線・電波・振動データ)を

人間が聞こえる音の範囲に変換(ソニフィケーション)しているのです。

つまり、

宇宙は無音。でも、データを「音」に翻訳して“聴かせている”

ということになります。

 

静寂の宇宙が教えてくれること

アルテミス計画は、ただ月に行くためのプロジェクトではありません。

  • 極限環境でも確実に動く技術
  • 見えないもの(真空・無音)を前提にした設計
  • 長期的な視点での挑戦と積み重ね

これは、私たちの仕事やものづくりにも通じる考え方です。

 

「当たり前」を疑い、見えない前提条件を理解し、その上で最適な方法を選ぶ。

 

半世紀ぶりに人類が月へ向かった今、

静かな宇宙は、そんな姿勢の大切さを改めて教えてくれているのかもしれません。

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