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技術者として日々の業務で直面したトラブルから、2件を紹介します。今回は、無線装置の開発と古いマイコン使用時の問題についてお話しします。
登録無線局向けの拡声装置を開発している際、受信音声をアンプで増幅して出力すると、受信時に「プチッ」という小さなノイズが発生する問題に直面しました。この音は小さなものでしたが、音響機器開発では無視できない問題です。
調査した結果、原因は受信機内部の音声信号スイッチングにあると推測しました。通常、単電源でのアナログ信号増幅では電源電圧の半分の電位を基準に交流信号を乗せますが、受信機のスイッチが切断された際に電位が0V近くまで低下し、その変動がノイズの原因になっていました。
内部回路にアクセスできなかったため、受信中の表示LED信号を利用し、アンプを未受信時にミュートする仕組みを追加しました。シンプルな解決策ですが、実装によりノイズを抑えられ、機能性が向上しました。
14年前に製作したFAX着信表示器では、未受信時に正規でないブザー音が頻発する不具合が発生しました。調査の結果、プログラム内で特定のフラグをクリアする際に誤ったフラグをクリアしているバグを発見。修正を試みましたが、修正プログラムをマイコンに書き込もうとした際に書き込みエラーが発生しました。
書き込み機には問題がなく、マイコン自体を交換したところ正常に動作。しかし2台目でも同じエラーが発生し、再度マイコンを交換して解決しました。このマイコンはマイクロチップ社のPICシリーズで、長年使用していますが、経年劣化による内部故障と考えられます。
まるで「寿命です」と告げられているようでしたが、ネット上で類似の事例が見当たらず、古いマイコンの扱いには注意が必要だと実感しました。
これらのトラブルを通じて、技術的な問題解決には知識と柔軟性が必要であることを改めて認識しました。また、古い機器や部品の扱いでは経年劣化が想定以上の影響を及ぼす可能性があるため、常に注意深い対応が求められます。
技術者として成長するには、問題に直面したときに「どう解決するか」を考える姿勢が重要です。この記事が、どなたかのお役に立てれば幸いです。
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