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スペースシャトルチャレンジャー号事件から組織を運営するにあたって学べる点がないか考えていきたいと思います。
1986年1月28日、スペースシャトルチャレンジャー号はケネディ宇宙センターから打ち上げられました。しかし、発射から73秒後突如爆発し乗組員7名が全員死亡。アメリカのみならず世界中に大きなショックを与えました。
なぜ、宇宙技術の最先端であるNASAでこのような事故が起こったのでしょうか。
まず事故の技術的な原因は、低温環境でのOリングの欠陥や設計ミスでの燃料漏れ等でした。
※Oリング:ゴムの輪。気体を密閉する部品。
そして、その後の事故調査で明らかになったのは、打ち上げ前に製造業者の会社が発射の中止勧告をしていたということです。
Oリングの低温下での危険性を製造業者の技術者らは指摘しましたが、NASAの責任者はその警告を退け発射に踏み切りました。
実は当時NASAは予算削減、スケジュールの遅れ、民間人で初となる高校教師の搭乗で話題を集め世界中が注目しているなど、打ち上げ中止を決断することが難しい状況に置かれており、NASAの「過去の例でも事故にならなかったのだし、これぐらいは問題ないだろう」という判断に繋がってしまったのです。
またその製造業者の会社の経営者らもNASAとの契約の確保に重きを置いており、予想されたリスクも確固たる証拠を確かめることができなかったため中止勧告を撤回。
そうした、経緯もあり、危険性を事前に勧告されながらも発射に踏み切ったのです。
一度出来上がった組織では、大きなプロジェクトなんとか成功させようとするため、正常な判断がなされないことがあります。集団での物事の決定は、条件によって問題に適切に対応できる判断力が損なわれる集団浅慮という状態に陥ってしまいます。集団での雰囲気を壊しかねなくて自分の意見を言わなくなる、リーダーが独善的、外部のチェックが少ない、過去の体験からの楽観視、プロジェクト達成のための焦りやストレスなどは、一人で考えるよりかえって悪い結果に繋がる可能性があります。
人は必ずヒューマンエラーをします。それを事前に防ぐための仕組みや手順を考えていく必要があります。
とある音楽グループのPVが人種差別に繋がるかもしれないとして話題になりました。
一度進んでしまった大掛かりなプロジェクトを止めることを自分ならできると思いますか?止めることを選択した人は褒められえるどころか非難されるのかもしれない状況では、組織はいつか重大な問題を引き起こしかねません。
そのような、状態にならないよう率直な意見、批判的な意見を出せる現場づくりが大切になってくると思います。
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