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洪水対策の簡易機器開発:安価で効果的なシステム構築

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 洪水対策の機器を開発

洪水 対策 防災

 洪水の報道と機器開発の動機

7月の雨季に入り、洪水で川が氾濫し、浸水したことに寝ていたため気づかず、朝起きて水が来ていることに驚いたという報道ニュースが度々放映されています。

そこで、浸水したことを知らせる簡易的な機器の開発に着手しました。

 機器の設計と部品選定

安価な開発を目指し、入手しやすい中国製の部品を使用しました。検知部分と警報音発令部には、微弱の無線部がASK方式で伝送する300MHz帯送受信ユニットを使用することにしました。水位の検知には、安価で電源を必要としないセンサー式ではなく、浮き輪式のフロートスイッチを採用し、防水ケースに収納した乾電池で駆動するように設計しました。情報を伝送する変換部分は、安価で一つのICで構成できる無線リモコン用の中国製品を選定しました。

300MHz帯ASK送受信ユニットは以前から使用しており、社内のFAX着信報知自宅の来客報知に使っているため、問題なく使用できます。しかし、中国製品は一時的に流通した後、生産が中止され、次の製品に移行することが多いため、同一仕様でも都度違う部品で構成する必要があります。この点は量産生産を計画する際に留意すべき事項です。

 技術的課題と試作

情報を伝送する変換部分のICは、送信用のエンコーダと受信用のデコーダで、それぞれを一つのICで構成できるリモコン用のタイプを選びました。これも中国製品で、エンコーダとデコーダICのアドレス設定の入力がスリーステートになっており、VCCか0V、もしくはオープンの3ポジションの設定が可能です。しかし、スリーステートの設定に対応するDIPスイッチが市場で見当たらず、結果的に2ポジションのコストを下げる設定用DIPスイッチを使用することにしました。

当初、乾電池2本の3Vで動作する計画でしたが、動作せず、電池3本の4.5Vに変更し、再度動作確認を行いました。この結果、プルアップ抵抗の値を調整することで、安定した動作が確認できました。

試作器が完成し、電波の到達試験乾電池の寿命診断を行いましたが、問題なく動作しました。電池は3日間持てばよいと考えていましたが、2週間ほど安定して動作し、電波の到達距離も想定以上に延びました。最初はスパイラル状のアンテナを使用しましたが、反射波が多く不安定だったため、基板パターンのアンテナに変更したことで改善しました。

量産製品化にはまだ時間がかかりそうですが、引き続き開発を進めていきます。

 

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