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事業所内無線放送システム 検証レビュー第1弾 工場に設置する場合

無線機器

大規模な配線がいらない 携帯型の簡易無線機から工場内へ放送

工場内の到達距離の検証と、設置場所を考えてみた

 

弊社にて開発・販売をしている事業所内無線放送システムは、事業所などの屋内及び屋外敷地内において災害発生等の非常時も想定し、緊急時の放送にも適した機能を備え、デジタル簡易無線機を利用した放送システムです。この製品はトランシーバー(送信機)から放送器へ放送をかけるというシンプルな構成となっています。

過去の災害において、電話が使えない状況下でも簡易無線機が連絡手段として活躍した例は数多くあります。そんな実績の多い簡易無線機を使った弊社の放送システムをご紹介します。

製品の詳細は下記のリンクからご覧いただけます。

事業所内無線放送システム

事業所内無線放送システム|無線放送器

はじめに

実際に事業所内無線放送システムを使うことで、どのくらいの使用効果があるのか検証を行いたいと思います。今回、岐阜県某所の工場にて実際に製品を使った到達距離などを検証していきます。行っていく検証の内容は下記の通りです。

・工場屋内での最適な設置場所について

・工場屋外での使用感

・工場敷地外から放送可能な距離

検証を行う工場は赤い四角の地点でその立地は、西側に山、東側には田畑が広がりその先には河川、南側に住宅地があり、北側も田畑が広がっています。山際に面する立地になるので山の向こう側からでも通達が可能なのか気になるところです。

複数の建屋が連なっている工場の中で、今回はメインの北側建屋にて本製品を設置する想定で最適な設置個所を検証していきます。

 

 

工場屋内での最適な設置場所について

事業所内無線放送システムの放送器は、デジタル簡易無線機が内蔵された縦45㎝横30㎝幅25㎝のボックス上部にメガホン型スピーカーが付いた設計となっています。本製品は、放送器1台と送信機1台の構成を基本セットとしてご案内していますが、複数の放送器を設置することで1台の送信機から各放送器へ一斉に呼びかけることが可能です。今回の検証では下記のような工場敷地内での最適な設置場所をみていこうと思います。尚、この検証では放送器を2台と送信機1台を使います。

 

事業所内無線放送システム、工場

 

検証を行う工場建屋の見取り図はご覧の通りです。奥行きのあるL字型の工場内では常に金属成形を行う製造機械が動いているのでかなりの騒音が響いています。

工場屋内で最長約38mの奥行きとなっています。工場の導線通路のわきには製品の保管箱や製造機器が配置されています。

放送機器を設置出来そうな場所としては壁際の柱か、その付近になりそうです。

設置場所の検討をする際には、後にメンテナンスをするという事を想定し、工場や事業所内で使用するのであれば業務の邪魔にならない場所を選ぶことが大切です。

また、スピーカーの設置方向も気にするべきポイントになります。

 

放送器の設置場所を考える「屋内・工場」

事業所内無線放送システムの放送器に使われているスピーカーは、選挙カーなどでの使われる高出力のハイパワースピーカーです。大は小を兼ねるとは言いますが、ある程度の広さがある工場や事業所内での放送範囲を確保する事、放送内容を確実に伝える事を重視し選ばれたスピーカーとなっています。

 

この放送器の特徴のひとつとして「スピーカーの指向性が高い」ことがあげられます。つまり一方向への放送がよく通るということです。この特徴を踏まえ設置場所に最も適している位置はどこなのかを工場の稼働時間帯に検証しました。

 

 

機器を設置する際には「柱やポールを利用できる」、「電源が確保できる」という条件で場所にあたりを付けていきます。今回は工場内A~Dの4箇所それぞれで放送器を設置した場合にどれくらいの設置効果があるのか見ていきました。

結果は下記のとおりです。

 

設置場所 聞こえ具合 問題点
A 直線方向であれば突き当りまで十分聞こえた。設置場所は下部よりも上部につけた方が音は響いて聞きやすくなった。 L字の先、Dまで届く音量にすると放送器の近くはかなりうるさい。音量を押さえてしまうと周りの機械音で聞こえない。
B Aと同様に直線方向の聞こえが良い。Aで放送するよりもC・Dでの聞こえが良い。どの位置からでも放送内容が聞き取れる。 C・Dからはスピーカーが横向きになる為、音が少しこもった感じがする。
C B・Dでは問題なく聞こえた。A,Bからの放送と比べると音が響きにくく感じる。 L字の先、A地点まで届く音量にすると放送器の近くはかなりうるさい。
D 他の3カ所よりも製造機器の音は控えめで放送内容は聞き取りやすいが、あまり響かない。 L字の先、A地点まで届く音量にすると放送器の近くはかなりうるさい。

検証結果から、放送器の設置場所にはBが最も適していました。L字型の工場なので音の響き方が単純でない点でAとDでは音が大きすぎるという問題が出ました。

Cでもその他の場所で放送内容が聴き取れましたが、AとBの周辺は製造機器が稼働していると少し聞き取りにくいように感じられました。

放送器を2台使った場合では、AとC、またはBとDでの組み合わせで設置すると聞こえやすく出来ました。

 

検証を行った工場の天上は二階建てほどの高さで吹き抜けになっていますが、Dのある個所は二階部分があり天上は他の3地点よりも低いです。

工場などの建物では高い天井で吹き抜けになっている所が多いと思います。その場合、音の響き方や周りの騒音なども考慮して設置場所を決める事が大切になってきます。

吹き抜けの建屋の例として、おおよそ4階建てに相当する工場(建屋奥行おおよそ40m×36m)の場合。

 

メガホン型スピーカーであれば1台で大体の放送範囲をカバー出来ます。

工場稼働時の騒音の具合にあわせてスピーカーの台数を決めると良いでしょう。

騒音が気になる現場で使用する場合は、複数の放送器を使いどこかの放送器からは必ず聞こえるような環境を作ると良いでしょう。

天上クレーンを設置している工場ではクレーンの上層部から点検を行えるため、クレーンのレール付近を設置場所の候補にしやすいかと思います。

 

設置場所の検証についてまとめ

放送器の最適な設置場所はどこなのか検証したところ、工場のほぼ中央にあたる場所Bという結果になりました。

また、より確実に放送内容を伝えるならば2カ所への設置も有効という結果が出ました。

事業所内無線放送システム設置事業所内無線放送システム設置2

 

今回の検証では、4カ所それぞれで実際に放送器と送信機を稼働させていますが、電源(コンセント)に繋いだのは始めの1度だけです。

停電時でも使えるようにバッテリーが内蔵されているので、電源を入れる時のみコンセントにプラグをさした状態であればその後はプラグを抜いても放送をかけることが出来ます。

これにより、本システムを導入検討いただく際には、電源がない場所での放送も試すことが出来るので使用者の希望に沿った構成で放送の可否を容易に試すことが出来ます。

これまでに導入頂いた事例の中には、デモ機を使いユーザー様が設置場所の検証後、電源設備の新設計画を立てられたという事例もございます。

昨今ではBCP(事業継続計画)の一部として、電話以外での事業所間の連絡手段に簡易無線機を配置する企業もあります。

大がかりな配線がいらない放送システムであれば、将来的な設置場所の変更にも対応が可能。工場や事業所でのレイアウト変更による再配線の手間が少なく済みます。

事業所や工場内へ”災害に強い無線放送システム”を整備する利点をあげるとするならば、通常の業務で使用している設備を非常時においても同様に使用できる点だと思います。

防災用の設備は数多く世の中に出回っている昨今でありますが、普段から使っていないものをいざ使うとなると操作に戸惑う方もいらっしゃるのではないでしょうか。

備えることはもちろん大切ですが、実際に使うときに必ず機能するのかということが特に重要です。

 

次回は「工場屋外での使用感」について検証した結果をお伝えします。

松栄電子工業松栄電子工業株式会社は、「人々の安全と安心を守る“防災・減災”」を大きなテーマに創業以来およそ50年、国土交通省の電気通信設備に関する事業に携わってきました。
弊社が携わってきた事業はインフラ整備だけでなく、被災地への災害支援出動など多岐にわたり、特に電気通信分野での経験と技術をもっています。
これまでに培った電気通信技術を活かし、「人々の安全と安心を守る製品造りをしたい」という思いから防災・減災のキーワードに着目し、多くの人々の役に立つ製品の開発に着手してきました。その取り組みのひとつ、災害時に放送者が逃げ遅れることなく避難しながらでも無線機から一斉放送ができるシステムとして「事業所内無線放送システム」を令和元年に発売しました。今後も新たな製品開発を行っていく予定です。これらの製品が少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。

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