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昨年12月まで官庁向けの放送設備を製作していました。その調整の段階で、機器の音声出力が不平衡型出力、音声入力は不平衡型入力での系統に、小さい音でハム音(ブーン、ブーンというような音)が乗り、スピーカ近くでは音の聴取ができますが、スピーカより離れると判らないほどのレベルでした。
このまま納品しても支障はないと思いましたが、自分は納得できず、対策を試みました。
他の不平衡型の接続系統で試してみたところ問題がなく、この機器間の接続が原因であることを推測し、いろいろと調査しましたところ、出力側の不平衡出力に問題があることを掴みました。コールド側をシャーシアースや大地アース、内部の直流電源のマイナス側に接続しても改善されず、各間のインピーダンス(抵抗値)を測定したところ数十Ωであり、コールド側が共通であるコモン等から浮いていることが判りました。メーカの仕様である不平衡型出力とは?・・・疑問です。
ならばと思いトランスでアイソレーションしたところ、ハム音は完全に消えて、納得ができる音となりました。しかし、市販でのアイソレーションされている変換用のプラグはありますが、形状が大きく高価で、接続するコネクタがITTキャノンのXLRで、機器出力のフォーンジャック側が耐え切ることができないと思い、製作することとしました。ただ、小型のトランスは入手することが困難ですので、今回は入手が容易な中型形状のトランスで製作しました。その写真がこれです。
機器装着後は上の写真のような仕上がりです。
ハム音でお困りの方は一度トランスでのアイソレーションを試してみてください。
市販ではT社製のものがあります。使用してもよいかと思いますが、形状が大きいものとなり、取り付け等にある程度のスペースが必要となります。
ノイズでは以前このようなことを経験しました。
ミキサーの出力をテレビ会議用のマイク入力へT社製のアイソレーションブラグ内部にアッテネータを入れて接続しました。納入時には問題ありませんでしたが、お客様が照明を蛍光灯よりLEDの調光照明に交換した時点より、ノイズがのるようになりました。
お客様の手持ちであるアイソレーショントランスと交換するとノイズは出ないことから内部を調べたところ、コールド側が機器間で接続されているものと、コールド側もアイソレーションしている点が違いました。
機器間でコールド側を接続することでケーブルにノイズが印加されるケースもあります。
アイソレーションした場合は、それぞれの機器間はトランスにて完全に絶縁することも必要なケースもあります。
コロナ禍でテレビ会議等を利用されている方々も多いと思います。ハム音等のノイズでお困りのかた、一度、試してみてください。
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