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今回から定期的にHPに掲載している有資格者一覧にある資格についてのご紹介をしていきたいと思います。
今回は建設業経理士2級についてです。筆者が昨年取得した資格となります。
基本的に経理関係の資格といえば、日商簿記の印象が強いと思います。
日商簿記は名前の通り日本商工会議所が開催している資格です。
建設業経理士は一般財団法人建設業振興基金が開催している資格となります。
建設業経理士の資格は簡単に言ってしまえば、建設業版の簿記ですね。
建設業の場合は仕事のスパンが長くお金を受け取るまでの期間が長いことが大きな特徴です。(いくらか例外もありますが)
工事となると最低でも数か月や長いと一年を超える場合もあるために、お金をいただくまでのスパンが長いことが多いです。
そのため日商簿記が扱っている商業簿記と工業簿記とは別の基準、ルールで考える部分がでてきます。
建設業会計、建設業簿記は専門性が強いため日商簿記の試験では足りない部分があります。
そのために日商簿記とは別に建設業経理士の資格があります。
ですがその実、建設業経理士2級に関して言えば試験範囲の半分ぐらいは日商簿記の範囲と一緒です。
上記リンクの出題区分表の建設業経理士の2級の範囲と日商簿記の2級と3級の部分を見比べていただくと、多少わかると思いますが、範囲が被っている部分がかなりあります。
具体的に言うと、建設業経理士2級の区分表の第1 簿記・会計の基礎と第16 取引の処理 ~ 第20 計算書類と財務諸表までは日商簿記2・3級の範囲にも含まれています。
建設業簿記といっても試験問題は簿記の基本知識がなければ解けません。
そのためこの資格をすぐに取りたいという方じゃなければ、日商簿記から取るというのがいいのではと思います。
試験勉強をした経験からすると、最低でも日商簿記3級の知識がないと取得するのは難しいと感じました。
とはいえ建設業経理士2級の市販テキストには、簿記の基本部分、日商簿記の範囲の解説がないわけではないので、日商簿記の知識がゼロであっても建設業経理士2級から始めても大丈夫かと思います。
ただやはり日商簿記試験対策のテキストのほうがその部分の解説に関しては充実していると個人的には思いました。
私の場合は以前簿記3級の試験を受けており、日商簿記3級用のテキストを所持していたので、そのテキストと建設業経理士2級用のテキストと併用して試験勉強をしました。
日商簿記の資格を持っている方は覚える範囲を削減でき、建設業経理士2級のハードルはかなり下がると思います。
そういった方には特にお勧めできる資格なのではないでしょうか。
試験問題は大体が過去問と同じ形式の問題が出ますので、過去問がスラスラ解けるレベルになればだいぶ余裕だと試験を受けて思いました。
建設業振興基金HPに10年分の過去問題が掲載されていますので、参考までに見てみるのもいいと思います。
1級になると、財務諸表、財務分析、原価計算の3つの科目の試験に合格する必要があり、出題範囲も広がり難易度が上がります。
よっぽど1級から取りたいという人以外は2級から取ることをお勧めします。
ちなみにこの資格は国土交通省の登録経理試験となっています。
建設業経理士2級以上から経営事項審査の加点対象となりますので、経営事項審査を受ける会社にお勤めの場合お得かと思います。
と書いていたのですが、2021年から建設業法の改正により経営事項審査の加点対象となるのは登録建設業経理士のみとなるようなので、加点対象となるためには資格を取ったうえで、建設業振興基金が行っている登録講習会に参加する必要がこれからは出てくるそうです。
これから資格を取る方も既に資格を持たれている方もこのことは頭に入れておくといいかもしれません。
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